ビオトープというタイトルから、綺麗に整えられた空間の中で安住する人たちの話かと思ったのですが、違いました。神さまの与える試練を人はどう受け止め、どう立ち向かっていくのかを試されるようなお話でした。主人公の女性も過酷な試練に苦しみながらも常に心は自由で、最後まで自分の愛を貫き通しました。もしかしてその愛は「異常」なのかもしれないし、世間が望む「普通」には程遠いのかもしれません。主人公カプがようやくたどり着いた答えが果たして正解なのか、そもそも正解などあるのかわからないままですが、誰にも理解してもらえない生き方を選んだ彼女の覚悟をとても綺麗だと思いました。彼女の心の中にビオトープはあったのだと思います。