英田せんかの一般小説カテゴリーの作品です。あれから一年…悲しみが薄れることはありませんが、ようやく読んでみようと思えるようになりました。
読んで字のごとく、「幽霊からの依頼を受ける探偵さん」とお手伝いをする女子高生の話ですが、職業とするからには「料金形態はどうなってるか?」とか「意思の疎通は?」とか疑問がありました。そんな中読み進めていくと、直ぐにお茶目な文章で面白おかしく説明されて…強烈に懐かしさを感じました。
主人公たちを取り巻く世界・現実は、主軸が幽霊であるが故に物悲しい気持ちになる話なのに、解決した時には彼等にとっても主人公たちにとっても救済になる…亡くなった者たちから生きる意味を教わるような深い話でした。
3巻めに入って気づきましたが、三崎坂の喫茶店「乱歩」やフロランタンの専門店、たい焼き屋など実際にある(またはあった)と知って、リアルで雰囲気を味わってみたいなぁと思いました。写真を見るだけでも不思議とノスタルジックな気持ちになって、それと共に「先生の作品は生き続けて、ずっと私たちの心に残り続けるのだな」と思えました。