ネタバレ・感想あり愛の夢とかのレビュー

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短編集
2024年12月18日
表題作は震災直後に書かれた作品なので、その影響がみられます。他の作品は時期がズレますが、どの作品も独特で素晴らしく、短編集なので気負わず読めます。
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少女の感性で彼女の心が求めた世界
2023年8月6日
【川上未映子】は【大島弓子】が好き、とても好きだということを少しも隠そうとしないところが私は好き。大人になってから読んだと書いていた。少女のような感性を損なうことなく大人になった人なのかも。彼女のセンシティブなリトマス試験紙は弓子色に染まった。だから【川上未映子】に共鳴したらぜひ【大島弓子】を読んでほしい。「バナナブレッドのプディング」「四月怪談」あたりを。そうしてもう一度この短編集のことを考える。さらに沁みてくるものがあるかもしれない。
新感覚のアイスみたいな
2023年7月31日
久しぶりに小説開拓です。
こちら、10年前に谷崎潤一郎賞受賞の短編集。
今夏公開の映画、『アイスクリームフィーバー』の原案となった短編が収録されているということで、初作家さまの初読み。
新感覚だけど、どこか太宰治のようであり村上春樹のようであり…自分の好む作家と似た軽やかさと深さと怖さと潔さが感じられました。
またどの短編も、同じ作家作品であることは明白なのに違った味わいと良さがあります。
映画の原案の作品「アイスクリーム熱」の、詩のような軽やかさとひらがなのフワフワ、特に、放り出され感(!)は、これまでに体験したことがない感覚。
「十三月怪談」には、ぼんやりとした不安が浄化されていく純愛の神々しさのようなものがあって好きです。

映画化を知るきっかけになったのは、吉澤嘉代子さんが唄う映画の主題歌「氷菓子」をラジオで聴いたからなのですが、この楽曲の歌詞が、原案の入ったこの短編集をキレイに丸ごと表している気がしています。作品群よりもっと熱っぽいですがとても素敵で。「どんなに優しい嘘でも 百万年きみを愛す」が「アイス」と掛かっているのも好き。

小説は、作家先生の文体のクセ、扱われているテーマによって、読みやすいか読みにくいかがハッキリ出るので、初読みには勇気がいります。
今回はとても気に入ったので、別の作品も読んでみようと思います。
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作家名: 川上未映子
出版社: 講談社
雑誌: 講談社文庫