物語の導入部分が高貴な方が急に訪れて去るとまた別の高貴な方の訪問が続き、ウェスラー男爵家にとっては何じゃこりゃな不思議な雰囲気がアンデルセンやイソップのような童話の始まりみたいでワクワクしました。読者には何だか分かっているので脳筋ファミリーの緩い空気感が伝わって来ました。
ヒロインは美しくかつ令嬢なのに政治にも精通するいわゆるおもしれー女なので早いうちに両片思いになることは分かるんですが、わざとらしい鈍ちんキャラでなく立場を弁えているので嫌味がなくて読みやすかったです。
敵国王女も一人二役分くらいの働きでキャラの無駄遣いがありません笑
ヒロインの脳筋義父義兄たちと美しいお母さんの実家ファミリーの絡みももっと読みたくなりました。本人たちは導入部分しか登場しないのにヒロインに色濃く刻み込まれた教育のおかげでしっかり印象に残っているところがウェスラーの娘の矜持ですね。