万人受けはしないかもしれませんが、好きな人にはハートに刺さりまくると思います。溺愛・甘々・ラブコメ・可愛い受けがお好きな方にお勧めします。
笙真の性格には読み始めて直ぐから気づいていたけど、軽いというか考えなしというか…チョロ過ぎて笑ってしまいました。笙真のそういうキャラから来るタイトルなんだなぁと。優先事項は恋で、御曹司(稼業?)はついでって…そういう意味だと分かると、タイトルの秀逸さが光っていると思いました。
御曹司をこなすにあたり、目標像と現実とのギャップとか、何のことはないミッションに対して難しく捉えて面白おかしい発言をするとかも笑えました。森下は森下で、見た目のクールさと心の声とがかけ離れていて、こちらも楽しかったです。父親の慎太郎も息子可愛さに頭がお花畑になっていて、ちょっと変態ぽくて…何だかんだ一番常識的なのは執事の花木しかいない感じで、ラストまで漕ぎ着けたのが不思議なくらいドタバタで面白かったです。
ラスト付近で気がつきましたが、笙真が母親のことは「母さん」と言うのに、父親のことは「お父さん」と呼んでいて、たった一文字の「お」に心理的距離ではなくて尊敬や敬愛の情を込めているようで素敵だなと思いました。
性根の良さと可愛い顔くるいしか取り柄がないような笙真だけど、己を正確に分析できている割に自己肯定感が高くて、幼いところはあるけれど物事の真理を突くような発言もあって、誰もに愛される理由が分かる良い子だなと思いました。