1冊に上手く纏められていて、面白かったです。
普段ラノベはほとんど読まないのですが、そんな私でもすいすいと読みやすかったです。これを機にラノベにハマりそうです。
物語は主人公の女騎士・エレノアと、仕える主である姫・ベアトリーチェの入れ替わりがメインのお話でした。
精神だけ入れ替わって互いの見た目を交換っていう、かなりファンタジックな内容だったと思います。
その割に魔法とかがある世界とかではなく、その他は至ってフツーというか。
なんで気軽に入れ替われるの?!なんていうツッコミは不在でした。入れ替わったものはしょうがない、みたいな。何故そんなことが可能なのかも説明しようがないので触れられていないし、そこら辺はご都合主義だな〜と思ってしまいました。
作者にその気があるのなら、また気軽に入れ替わったり、今度は彼らを入れ替えちゃったりとか、いくらでも話の続きが書けそうな気がします(笑)
中身が違うからこそ一生懸命姫の演技したり、時には猪と対峙したりとトラブルを必死に乗り越えていくやり取りが面白かったです。
エレノアの一生懸命姫を演じてるのにボロが出る性格とか、そんな彼女を一歩引いた侍女としていつも支えてくれたネージュもとても良かったです…。
中盤王子であるローレンツと、その従者セスの彼目線での裏側が交互に語られていたのも面白かったです。
だからこそ、それが中盤だけだったのが非常に残念でした。
ラストはページ数の関係か、あまりゆっくり魅せてはくれなかったな、畳み掛けるようにハッピーエンドに締めくくったなという印象でした。
ほぼ入れ替わり生活がメインだったので、エレノアが騎士に戻ってからの本来の彼女としてもっと活躍してほしかったし、ベアトリーチェの王女としての活躍も見たかった。
姫様自身もツンデレなだけで、そんな暴走姫のイメージは無いまま終わったし…。あ、入れ替わりを実行したことについてはかなりの暴走でしたね。
姫が最初は男だと思っていたノアのこと好きだったのかも気になります。
最後はもっとページ数を使ってドラマティックにバレたりとか、セスとのいちゃいちゃをもっと見たかったです。
ところで男装騎士ネタは全然活かせてなかったし、表紙のようなシーンは無かったな…
ラストは、恋愛って見た目も重要なのでは?!という私の心配をよそに、中身に惚れてくれていた彼らにぐっときました。