ファンタジーにしてはすごく地味な内容だけど、全然つまらなくない、登場人物は皆いいヤツばっかで心地いい、文章も読みやすい。
主役たちは皆どこかちょっと特別だけど、普通のファンタジー作品なら多分せいぜい脇役止まりだと思う。文中時々出てくるキーワード『○の勇者』、『魔族』『4000年』とかはちょっと心をくすぐるけど、残念ながらこれはそういう世界を救う的な話じゃないので、世界観描写以外の役割は持ってない。でも、これを読んでると思うよね、普段読んでるポピュラー的な作品の中に、あの雑貨屋の娘さんはもしかしたら…想像力を掻き立てるよね〜
酷いことがなくて、全編が温かい雰囲気に包まれて、とても癒やされます。でも、まあ、最後のああいうクロニクル的な描写には弱いのでちょっと泣いた。
とにかく、素晴らしい作品でした。