三冠を達成したミステリー短編集という事で気になっていた作品です。語り口は静かで昭和の風情がありますが、どのお話も仄暗い薄気味悪さがあり後味は最悪です。一話読むごとに気持ちが引きずられ、読了するのに時間がかかってしまいました。真実など知らない方がよかったと思わせる「夜警」「満願」 ホラーな結末にゾッとした「柘榴」「関守」 静かに裁きを待つ野望のサラリーマン「万灯」など印象的なお話ばかりで、暗く不気味な結末に彼らのその後を想像せずにはいられませんでした。イヤミスとはこういう作品の事を言うんでしょうか。ドラマ化もされているようなのでそちらも是非観てみたいです。