ネタバレ・感想あり伯爵が見つけた家なき娘のレビュー

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後半まではやや単調なストーリー
ネタバレ
2020年4月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 船長を務める船を事故で失い、生活に窮するヒーローのもとに伯爵家の弁護士が現れ、ヒーローが5代目伯爵を継ぐことになったと告げる。ヒーローに拒否権はなく、伯爵家に雇用された人々や領地に暮らす人々を思って不承不承あとを継ぐことにしたヒーロー。しかし、領地運営のために必要な伯爵家の財産は先代の娘であるヒロインが受け継いだという。弁護士は金銭問題を解決するために、ヒロインとの結婚を提案する。
というところから始まり、ヒロインを迎えに行ったヒーローは帰国の船上でなんとか結婚にこぎつける。
しかし、ヒロインを騙して結婚したという良心の呵責に苛まれ、事あるごとにそれが引っかかり、特に金銭が絡む場面ではヒロインに対して不自然な態度をとってしまうように。
序盤は罪悪感を抱えたヒーローが、ヒロインと共に貴族生活に四苦八苦しながら、ヒロインと初夜を迎えられるかというのが話の目玉。中盤はヒーローが結婚の真実を打ち明けられるかが焦点に。終盤は、序盤に張られた伏線が発動し、逃げたヒロインをヒーローが追う展開となる。
関連作品の『貴公子と壁の花』を先に読んでおり、あちらがロマンスにサスペンス要素が絡んでハラハラと最後まで読めたのに対し、こちらは序盤を読んでいた頃は話の方向性が見えなくて、読んでいて若干中だるみを感じてしまった。
中盤以降はヒロインの管理されたくないという本質も出てきて、ヒーローとやりあったりと、単調な空気は減っていくが、話として面白かったのは終盤からだった。
読み終わってみると、お互いをよく知らないまま結婚してしまった夫婦が、共に過ごす中でお互いを知り、トラブルを乗り越え、結婚を維持していく上で必要なことを見出していくお話だった。
そういう意味では、起こるトラブルは夫婦の絆を強めるための要素が強く、ベッドシーンが多い割に、恋愛のときめき的なものが薄かった印象。
主役二人の造形は悪くないので、マンガのような形なら視覚的要素も手伝ってもう少しときめきを感じられるかもしれない。
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