このレビューはネタバレを含みます▼
陵(みささぎ)知義は、父親の理想の息子であろうと努力を重ね続けて現在の地位にいます。
知的能力に恵まれていたこともあり、自分の人生の設計図通りの道を辿ってきました。
そして、自分の人生の決定権を自分で選んだつもりでいました。
ところが、仕事で出逢った藤丸空也を知るにつれて、その思いが揺らいできました。
今、三十二歳の陵は、既に人生の円熟期の半分を過ごしています。
おそらく、人を恋して眠れぬ夜を過ごした経験はないだろうと思います。
もしあったなら、今ごろは結婚していたはずです。
実際は勉強に忙しすぎて出会う暇がなかったか、彼の心を熱くさせる人はいなかったのかもしれません。
ですから、たとえ仕事上の出会いでも、空也に出会えたことは大いに喜ぶべきことでした。
二人は似た者通しなので、これからも公私共にうまくやって往けるでしょう。
けれども、当分の間、職場では二人の関係は秘密にしておく必要があります。
また、何時それぞれの家族に知らせるかは時機を見る必要があります。
実は、最初は、陵に余りいい感情を抱いていませんでした。
しかし、空也に対する態度の変化で彼を見直しました。
これからも、空也を見守って欲しいものです。
そして、あだ名で呼ぶのではなく、ちゃんと「空也」と呼んであげてください。