このレビューはネタバレを含みます▼
母と、母のお腹の中にいてもうすぐ産まれるはずだった妹を、高校生が暴走した自転車との接触事故で亡くした遼一は、事故から数年経ってもその喪失感を引きずり、半グレ・男娼まがいの荒んだ日々を送っていた。素行を諌めていた父も他界し天涯孤独の身となった遼一は、ある事件に巻き込まれて現行犯逮捕される。身内がなく身元引受人を指定できないため、帰宅もできない…。ふとその時、亡き父から「何かあったらこの人を頼るように」と言われたことを思い出し、連絡先を書いた紙を刑事に渡す。迎えにきたのは面識のない、アッパークラスのスマートな30代のサラリーマン男性、片桐。片桐は父に世話になったと言うが、父からは何も聞いていない。一体片桐はどこの誰なのか?警察から遼一を連れ出した片桐は、なぜかそれからもずっと遼一の世話をやき、身体の関係も持つようになるが…。全体的にはすごくよきお話でした♪片桐のずるさと弱さ、不安定に見える遼一の強さ。信じることの怖さと優しさ。絶妙なバランスだな〜。真式先生の「義兄弟」「よろず屋シリーズ」もお気に入りで、またお気に入りの作品が増えました♪挿絵がなんだか昭和の劇画を思い起こさせる感じで、雰囲気あってよかったです♪