講談社X文庫ホワイトハートとして刊行された天下四国の物語は第四巻をもって完結しています。各巻を単品で購入するより安価で手に入るので、其々の巻を試し読みしたり、レヴューを参考にして全巻を通して読んでみたいと思われた方は此方を購入したらよいのではないでしょうか。しかし、人によって何を面白いと思うかは其々なので、第一巻を読んでみないことには分からないと考える人は分冊版を購入してみればいいでしょう。
中国系の物語は名前が難しいので、登場人物の名前が全て頭に入るまでは物語に入り込めないと思っているかもしれません。けれども、試し読みをして分かるように、第一巻目の最初こそ徐の国の危機から始まるので読みにくいと思うでしょうが、物語が進んで行くに連れて飛牙と那兪の絡みが主になってくるので、楽しみながら読み進めていくことが出来ると思います。何よりも作者の語り口が上手なので、私達読者は其れに乗せられて泣いたり笑ったりと物語の世界観に嵌ってしまうことになります。何はともあれ、自分の眼と想像力を発揮して此の物語を読み始めてみてください。