高評価から予想はしていましたが、それにしても予想を上回る面白さでした。小説を300冊くらい(?)読んできて、星評価4.4以上(レビュー数が二桁以上ある)作品は好みの傾向がどうあれ、ほぼ間違いなく面白い事が多いです。それが、今回は4.8ですから…間違いなかったです。
犬の設定は斬新ですが、それだけで面白いわけではなくて、犬と人間の心の中の鬩ぎ合いとか、人間とのやり取りとかが楽しかったです。アメリカンジョークも面白くて、何回も吹き出してしまいました。海外の作家さんは二人目ですけど、どちらも文章自体は真面目だし、内容も至って真剣です。なのに,会話のチグハグ感や濃いキャラの言動・行動がぶっ飛んでいて笑いを誘うんです。
特にランスの母親(リリー)は強烈で、いくら悪気がなく愛情しかなかったとしても、これは…と思うような仕打ち(と言えると思う)には目をむいてしまいました。とにかく最初から最後までアグレッシブで肝っ玉母ちゃんみたいなキャラが光っていました。