ネタバレ・感想ありうばたまの 墨色江戸画帖のレビュー

(4.5) 2件
(5)
1件
(4)
1件
(3)
0件
(2)
0件
(1)
0件
絵師青路茉衣瑚氏の墨絵猫の妖気に当てられ
ネタバレ
2023年7月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 江戸の絵師青井東仙は、画業が行き詰って、灯籠貼りや団扇に墨絵を描いて売り歩く日々を送っていた。
ところが、ある時、背筋に寒気を覚えるようなただならぬ気配の黒猫が突然後を付けてきた。からくり時雨堂に入る東仙と共に当たり前のように付いてくる。そして、ある嵐の日に東仙の長屋に付いてきた黒猫を、寝食も忘れて魅入られたように墨で描く。それは、心底描きたくて矢も楯もたまらず描いた絵で、東仙にとっては、暫くぶりの満足のいく絵になる。
弐話目の(古井戸の月)は、恨みを持って死んでいった女郎菊尾の為に東仙が、破門された絵の師匠松山翠月から貰った真綿の夜具を質に入れてまでして描いた絵。菊尾が古井戸の底から見た男と月。菊尾の身に起こったことを追体験させられた東仙は、黒猫の声で己の身に戻ってこれたのだが、菊尾の無念さを悼み、渾身の力を持って絵を描き上げる。
参話目の(松に蝉)では、東仙の住む長屋の人々をも巻き込んだ絵師対決が面白い。
四話目の(寒椿)では、初雪の日に、苦手な雪を描きに町に出かけた東仙がかつての師匠松井翠月と偶然にも出会い、持っていた絵を見た感想を言ってもらえる。そして、心から描きたいと希求しなければ、己と人を満足させる絵は描けないと知る。
いいね
0件
時代は違えど共感できる
2019年3月12日
絵の才能はそこそこあるのに、イマイチやる気の起きない絵師のお話。
そつなくこなせるからこそ、100%の力を出さない、出せないと言うのはみんな結構心当たりがあるんじゃないかなぁ…と。なんか共感できました。
いいね
0件
レビューをシェアしよう!