この方の作品、3作目ですが、この作品がいまところ一番好きです。
★5にしようか迷いましたが、まだ他の作品も読むつもりなので、この作品以上にいいなと思うものがありそうで、★4にしました。
表紙が、ヒーローの二面性を美しく描いていて、作中のイラストもとても良かった (とくにヒーローが赤面したり、涙をながしたり の場面)。
ヒロイン、ヒーロー、ともにお互いの二面性というか、理性の表面と裏側の本音や本望、欲望が交差して混じり合い、受け入れて共有していく過程がとても丁寧で面白かった。じれったいほどのストーリーでしたので、6章が圧巻でした。
この作家さんのソーニャ文庫作品第1作 (2019年)、とのことで、サイトの番外編も読みました。本編が薄暗く歪んでいるし、兄王以外の主要キャラがみな悪意だけの人間性か、欲望に堕ちて壊れていくか・・だったので、番外編はほのぼのできました。