ネタバレ・感想あり蜜蜂と遠雷のレビュー

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音楽
2025年2月16日
音楽の姿に充ちた小説でした。とても良かった。
以下、余談ですが、およそ30年前に秋月こお先生が「富士見二丁目交響楽団」という、その後何十巻にもわたるBL小説を書かれました(シーモアさんにもホンの数巻部分だけはあるかも…)。これはBLなので、青年同士の恋愛部分がメインで登場人物にクセもあるのですが、巻を重ねるごとに音楽部分も深くなっていって、音楽家の苦悩や喜びとともに、深いクラシックの真髄というか、美しさや残酷さ、特別だったり当たり前だったりする世界の煌めきを、読み手である私に見せてくれました。
この「蜜蜂と遠雷」は、1つのコンクールの話なので、数十巻に渡る大作と比べると短く感じますが、あの小説以来の音楽の景色を見せてもらいました。ありがとうございました。
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臨場感
2024年11月8日
実際にコンクール会場にいるかのような錯覚に陥った。
音が文章で奏でられるのが本当にすごい!
でもできれば実際に聞いてみたいです。
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NO MUSIC NO LIFE.
2023年10月29日
蜜蜂の絶滅は人類絶滅の序曲という話を思い出す。音を楽しむ行為は、その時代ごとにいつも注力する人達がいて成り立つ。遺産であり、途切れぬ魂の継承、音楽の根源、歴史を感じさせてくれる作品。
ピアノコンクールの競争
ネタバレ
2023年9月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 審査員が下す判定のみが評価の基準となるといった意味ではフィギュアスケートでもそうですが、ピアノの場合はビデオ判定が使えない。まさに審査員の主観に頼らざるを得ません。しかしそこに観客の反応が加味されるところが面白いと感じました。

一次予選から順番に振るい落されてゆく演奏者、またそれ故に残った演奏者の喜びと安堵が伝わってきて心が揺さぶられます。

音楽、特にピアノの好きな人にお奨めの小説です。
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言葉が音楽のように弾けて押し寄せて波打つ
2021年11月21日
視覚から入って羽音に導かれ、国際ピアノコンクールのコンテスタント達が一人ずつ少しずつあらわされる。
圧倒的な言葉数で、畳み掛けるような(英語スピーチのような)三連続表現や、効果的な言い換えが頻繁になされる。どれだけの音楽関連の語を我が物にし自在に操ってるんだろうかと驚嘆する。豊富な音楽知識が駆使されながら、会話が自然でリアル。しかし描かれているのは天才達であり、あり得ないレベルの才能の競演。巡り合せ。著者の要所要所の音楽評論を読まされているかの分析的用語遣いに、音楽物の話を作るに当たっての相当なこだわりを感じ、尚且つ専門用語でけむに巻かないエンタメ要素充実、一般の読者目線を忘れない。登場人物達が考え感じ取り影響し合う天才群像。彼らがコンクールを通じて更なる進化を遂げ、立ち止まっていた者の脱皮?の姿が描かれる。それを目撃する興奮がよく伝わる。作者自身の考えや思いを登場人物達にあらゆる角度から言わせた感じ。その思いや表現に納得がいくものだから、ストーリーはドキュメンタリーのよう。
コンクール物というと音楽物の名作漫画「ピアノの森」を思い出さないわけにはいかない。恐らく両作者互いに読んだだろう、と思わせる。
今年11月、モデルの浜松国際ピアノコンクール(3年おき開催)はコロナで中止となった。俄然興味が高まったのに。
その代わりに読む気持ちで本作の季節にもダブらせて読んだ。
まだ下巻の途中。追記予定。
以下追記。
本選の場面はYouTubeでラフ2を聴きながら(ここ辻井伸行氏。この曲は生で聴いてないので、読んだらコンサートに行きたくなった。次いで角野隼人氏グランプリ動画も初めて聴いて想像力の材料にさせて貰った)読んだ。他の曲も聴いたが同時に読むのはこの曲が私には適していた。
結果よりもプロセス、みたいな感じで最後は大フィナーレという過剰演出がなくていい。が、途中、材料多めのあれもこれもの、こってりメニューを感じた。だから、スルッと終わって却って私は読後のもたれ感をなくしてくれたこの行方の示し方、歓迎。
羽音が戻ってきて終了。

それにしてもマサル、弾きながらあれだけ考えるとは、いくら天才肌でも、小説は創作物であると再認識。練習時間確保が難しかったはずの風間塵もしかり。
栄伝亜夜に至っては、「進化」が語られた割には、この数日間の成長は、他のコンテスタント等の描写に割かれた分、感じにくかった。
いっきに読みました
2021年9月3日
ハードカバーで、いっきに読みました。
音楽の話でも、これだけ音楽のシーンが描かれる小説ってなかなかないと思います。
こんな風に曲を描くんだ?と思いました。
映画も観ましたが、私が涙したシーンはなかった、、、。
これぞ♫文学!
2021年8月28日
音楽を文学で表現するという難しい表現が
見事にこなされている。加えて登場人物の内面も丁寧に描写されている傑作です!
鳥肌がたちました♦
2021年5月13日
最初から、最後まで面白かった‼️本当にコンクールを見ているかのような興奮がありました。いまだに面白いと思った中でも一番です☺️
読書なのに音楽鑑賞のような
2020年4月24日
まさにコンクールに出場する4人の、長い長いドキュメンタリーを見たかのような満足感!
知らない曲もたくさん出てきましたが、想像するだけで音楽が聴こえてくるような描写でとても楽しかったです。
きっと読み終えた人のほとんどが、YouTubeで検索したのでは。笑
曲を聴きながらもう一度読みたいです。
一人一人に感情移入してしまい、みんながんばってほしいと最後は祈るような気持ちに。
個人的には高島明石にもっと活躍してほしかったです。
待っていた
2019年11月14日
作者は何度も直木賞候補になりながらも授賞がならず選考委員はホントに読んでいるのか?思って何年も経ちました。

この作品を読み、直木賞を授賞して納得。
さらに2度めの本屋大賞も授賞してさらに納得。

作者がこの作品を書き上げるのを待っていたのだと思います。
感動
2019年11月1日
さすが直木賞&本屋大賞W受賞といった感じです。どんどん物語に引き込まれていって中盤からは止まらず一気に読んでしまいました。おすすめします。
音が聞こえる!
2019年9月27日
ピアノコンテストが舞台。ちなみにモデルとなったコンテストは実際浜松で行われてます。その最終選考に残ったピアニストたちの人生が描かれる。養蜂家の父とともに日本中を移動する生活でピアノを持たない!ピアニストの主人公はもちろん、アラサーでいったん就職しながらも夢を諦められないサラリーマンなどなど、当然ながらそれぞれがたくさんのものを抱えてここまでやってきた。全員を応援したくなって困ってしまう。「ピアノの森」の最終章とも似た展開。YouTubeで曲を探して聴きながら読みました。
感動です。
よい!
2019年8月29日
作中に出てくる音楽がもれなく聴きたくなります笑
内容はピアノの森とすごく似ているのですが、より洗練されてるというか世界観が綺麗でした!
凄く面白かったです!
2019年8月15日
登場人物、ストーリー、曲の表現、全てにおいてとても面白くて一気に読んでしまいました!絶対オススメします!
直木三十五賞
ネタバレ
2024年4月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 直木三十五賞受賞を知って、コミカライズとともに読みました。
こういう葛藤や成長を描いた青春群像小説は面白いです。
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音楽が読める
2022年9月22日
導入から引き込まれ、途中までは一気に読みました。
ただ後半が少し冗長過ぎたのでグダグダした感じがあります。終わり方も雑さがあって残念です。
ストーリーはティーンズ向け小説みたいでした。
ただ、音楽の表現力は素晴らしかったと思います。文章で音楽が読めるのは幸せでした。
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素人ですが
2020年3月20日
物語はある地方都市で数年に一度開催される音楽の国際コンクールが舞台となっています。私は音楽的なことに関して全くの素人ですが、作者さんがかなりわかりやすく伝えてくれているので理解できたような感覚を受けました。
コンクールに挑む普通にピアノが上手いというレベルを超えた者たちの、さらに一握りのものだけが見えている世界を登場人物を通して見させてくれるお話でもあります。話中では奏者だけでなく、そこにかかわる審査員や家族、見守るものなどの思いがとても現実的であり、とても人間じみていて、ある種なまなましい世界がそこに描かれているのも興味深い。
なんというか
2019年10月27日
あまり小説を読んでいる気がしなかったな、というのが直後の印象。演奏の描写が多いから?作中にコンクールのドキュメンタリーを録るテレビマンが登場するけれど、そのドキュメンタリーか製作舞台裏を見ている感じかも。
ピアニストや審査員は色々面白い個性を持っているけど、物語が動いていないというか、下巻からなのでしょうか。でもそこまで気持ちが引っ張られてないかなあ。という訳で、下巻を読むかどうかはもう少し考えます。
あーあ
2021年9月13日
上巻は何も考えずに、ガーと読み終わったので、期待したのに、下巻はもうなにこれ?なんか既視感が、そして尻すぼみなエンディング!かぶってるピアノの森と。買わなきゃよかった。もう本屋大賞も直木賞も信じられないなー。出版業界も斜陽ですね。
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作家名: 恩田陸
出版社: 幻冬舎
雑誌: 幻冬舎文庫