ネタバレ・感想あり【電子版限定特典付】 少年の名はジルベールのレビュー

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ファン必読の書
2024年12月16日
竹宮恵子先生の大大ファンだというのに、抜かっていたというか…この本の存在をずっとずっと知りませんでした(ショック!)。で、貪りよみました。石ノ森章太郎先生に憧れていた徳島での少女時代や大泉サロンのことなど、エピソードとして世間に知られていることも多かったですが(もちろん有名人にはあり勝ち)、ご本人の文章で読めるのはまた格別でした。「風と木の歌」執筆のくだりは、灌漑深かったです。あと、萩尾望都先生とのことも読めてよかった。
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増山さんの存在
ネタバレ
2024年12月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 島でご紹介があった作品がセールになったので購入。
私は竹宮先生の作品を読んだことがないのですが、以前に行った「はじめてのBL展」で竹宮先生の絵を見て、その半生には興味を持っていました。
最近は昭和に活躍した漫画家さんがコミックエッセイで当時の思い出を語る作品も増えてきたので、こちらの本を読むのが楽しみだった。
ちょっとドキドキしながら読んだのですが、期待以上に面白かった!
デビューしたての新人の頃の記憶をここまで詳細に憶えている記憶力。
昔のできごとは誰でも記憶違いが出てくると思うので、実際とは少し違う部分もあるかもしれないですが、それは些細なことで、竹宮先生が駆け出しの時代に抱いた想いや悔しさがダイレクトに伝わってきます。
一人の漫画家として真剣に向き合ってくれたのだろう編集部のYさん。
竹宮先生の友人でもあり、よきライバルの萩尾先生。
さまざまな縁が竹宮先生の作品に影響を及ぼしたと思いますが、特に私の関心を引いたのは増山さんでした。
作品内では増山さんは裕福なお嬢様に思えますが、その話す内容や行動は情熱があり、若い頃に抱える鬱屈した感情や怒り、もどかしさが垣間見えます。
一読しただけなので、これはあくまでも私の印象に過ぎませんが、地方から来た竹宮先生にとって、東京で育った増山さんはあらゆる流行の最先端を教えてくれる友人であり、師匠的な存在だったのかなと。
増山さんのリーダーシップが強いので、見方を変えると一種の洗脳や、自分の思い通りに周囲を動かそうとする強引なフィクサー的な人物にも見えます。
竹宮先生と編集者との打ち合わせにも同伴し、プロデュース活動に励む増山さんの気概に私は驚きました。
おそらく、この当時は21~22歳くらいの若い女性で、世間から見れば新人漫画家の友人という枠だと思います。
最初は萩尾先生のペンフレンドだった彼女が、いずれは多くの漫画家たちの中心となり、発破をかけていく。
私は若い頃の友情は無意識に「力関係」「マウントの取り合い」が出ると思っています。
相手が漫画家だったら(私の場合)つい自分が遠慮して、竹宮先生を立てていくことを考えるのに、増山さんは物怖じせずに向かっていく。
その強い意志が非常に魅力的に感じました。もっと彼女について書き込みたいと思ったのですが、文字数が足りないのでこの辺で。
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作者の漫画家としての苦悩
ネタバレ
2023年9月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 竹宮惠子先生の作品が好きなので読みました。作者のデビューしてからの苦悩がとても印象に残りました。萩尾望都先生に対しての嫉妬、焦り、クリエイターとしての今後、竹宮惠子先生の時代の少女漫画界の空気というものもわかります。とても興味深い内容でした。
竹宮惠子青春記
2022年7月3日
自伝というには薄く、彼女の最も苦しくも、輝いていた数年の記録がメイン。
面白いのは出会う前から彼女達は作品を通じて知り合っていたという事。音叉の様なモノだったのだろうか、近づき過ぎたのかも知れない二人の共同生活。しかし、それが無ければ幾多の出会いも、濃密な関係も築けなかった様にも思う。
この一冊で消化不良を起こされる方には萩尾望都著「一度きりの大泉の話」をお薦めする。アンサー本とみて間違いないでしょう。
シーモア
2020年10月17日
「風と木の詩」は自分にとって最上の作品だ。そこに至るまでの作者の努力が綴られていてジルベールを思い胸が熱くなる。増山さんとの関わりとか、増山さんの漫画愛とか!増山さん居なかったらジルベールには会えなかったのかも。前にも増して増山さん有難う!と思った。
これは凄い!
2020年4月2日
気になったなら読むことをおすすめします!
損はしないというより、やばいです!
ぜひ朝ドラにして欲しい!
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美しい思い出だけを切り抜いた本。
2022年8月12日
すべてをさらけ出すことは怖いし誰にでもできることではない。だからそれをしなかったことは責められるべきではないとは思うけど…。外野はあくまでも結果論でしかものを言えないが、この本がトリガーになったのは事実。
大泉サロン
ネタバレ
2020年6月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 半世紀前の、少女漫画界隈の一端を垣間見ることができます。二十歳前後の女性が集い、漫画で表現することについて熱く語ったり、編集者とどう向き合ったか、24年組と言われる漫画家や名の知れた漫画家達との付き合い等濃密な出来事、良くも悪くも身近な人に大いに刺激され、かなり赤裸々な思いも記載されています。自分が描きたいテーマや表現に対して編集者が望む内容との解離、ファンの反響と書籍の売上。編集者の言い分や実状も成る程と思う部分もあれば、先を見極める難しさも感じます。あの時代を感じるもの、作家特有のもの、革命を目指すとか、原作付き作品について等興味深い内容です。ヨーロッパ旅行に行って、建築物等実物を見て手に触れて描写に活かす話も良いです。このように漫画が肉付けされ、書く側も読む側も納得して実感出来る描写になる。竹宮先生もいろいろ頑張ったり悩んだりされていますが、やはり、萩尾望都先生は独特の世界を持っていて、同業者から認められる才能がある人だと改めて認識します。編集者から優遇されていたような記述がありますが、萩尾先生御自身によるエピソードでは、ネームのボツが続いたり、ファンレターは多いもののアンケートが下位を彷徨っていたので連載打ち切りを示唆されていたとか、読者に生原稿をプレゼントしてアンケートの投稿依頼をしたとか苦労話もそれなりにあるようです。
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