作者さんの平安物語の描写が細やかで時代考証も丁寧で読み応えありました。姫として傅かれるはずだった主人公達が華やかな後宮で皇位継承や勢力図、人間模様が複雑な縮図で展開されている中で運命から後宮務めとなり自分の姫として身分を諦めながらも泣いて過ごすのではなく自立している逞しい姿が魅力あります。平安時代の生活、役職などわかりやすく解釈があり具体的な描写など貴族の生活が堪能できます。平安女性のお仕事物語として楽しい。そして公達と主人公の恋が複雑な環境の中でもどこまでも一途で誠実に距離を縮めていく過程が丁寧に描かれています。お互いの本質に惹かれてあっていく姿に共感し、この時代には珍しい唯一無二の愛情物語が嬉しく心に響きます。このシリーズそれぞれ独立した話しながらも繋がっているところや共通点に浪漫をも感じ面白いです。特に猫の衛士の活躍がいい。大好きな作品です。