作者さん買いです。
文筆力があり、ストーリー重視読者にとってはかなり読み応えのある作品を提供してくれる有難い作家さんです。
が、如何せん人間関係や企業間争いなどの小難しい設定のお話が多いので、官能表現は上手ですがいかにもTLな軽いイチャラブを読みたい方には向きません。
今作もまた何度も頁を止め、頭の中で反芻して状況整理をしながら読まないとすぐに置いてきぼりにされる複雑さでした。
古事記をモチーフに島特有の因習による不気味さを緻密に描いていると感じる一方で、時々出てくる出来すぎで荒唐無稽なシーンが印象に残ります。
現代ファンタジーという括りだからこれも有りなのかもしれませんが、細かなところを微妙にぼやかしちゃった感が拭えません。
国家機関まで巻き込んだのはちょっと風呂敷を広げすぎかな。
タイトル通り罪な恋に焦点を当てたTLとして出すなら、もう少し事件性をコンパクトに纏めて読みやすくしてほしかったです。