アウスタリア王国の史書?または卒論のための、中世のアウスタリア王国建国についての考察?と思えるほどラノベを読んでいるとは思えないくらい難しい言葉が連なり、登場人物の心情などがわかりにくい。肯定なのか否定なのか…複雑な言い回しで結局のところ何を言いたいのかわからず何度も読み返した←単純に私の読解力のなさ(>人<;) それにしてもアウスタリア王国のためにどれだけの人が犠牲になったのか。命ではなくその人の人生、思い、思想、そして甘い言葉だけど夢。一つの国を興して引き継いでいくと言うことは簡単だことではないと、こうして作品として読みながら圧倒された。自分という存在さえも否定しながら生きていく。本音はどこに。読み終わったあとはスッキリせず鬱々とした気分になる。確かにベルタは自分を見失うことなく←葛藤はしている 自分の信じた道をいく。政略結婚で二重婚で先妻を愛したまま?の国王を、いつのまにか愛したハロルドを支えながら。ハロルドはベルタを妻として見ているのではなく、為政者の相棒として見ているようで作品にロマンスを感じることはなく残念。先妻とハロルドが別れを告げるシーンで、最後に一度だけ とねだられその気になるハロルドに失望した。しかもベルタが嫉妬することはないと自分勝手な肯定をして。ベルタは踏み入れられない2人の関係に、決して口にはしないけどヤキモキしていると言うのに。温度差がありすぎて。まず、登場人物の気持ちが全てにおいてはっきりしない。物語の途中で文献のようなものが出てくるが、後世におけるアウスタリアについてや王族について書かれていても、今はいらない情報。ベルタを読んでいるのだから。ハロルドとの関係をもっと深く書いて欲しかった。それにしても3部作。読み応えがあり読む手が止まりませんでした。そして、色んな意味で心に重く残る作品でした。