留年して2こ上の小田切と、普通の高校生のユウキくんの話。2人とも家庭環境にあまり恵まれていず、淋しさを抱えているのが共通項か。攻めの小田切は一見悪めの、でも情が濃い魅力的なキャラですが、受けのユウキの魅力がイマイチ描ききれてない感じ。2冊一気読みしましたが、最後までなぜ小田切がこんなにユウキに執着するのか分からなかった。浅いところでグルグル悩むのは高校生だから仕方ないとしても、明らかに自分に好意をもってる慎さんの所に何度も泣きついて慰めてもらい小田切をヤキモキさせるとか、脇が甘くてどーなってんのこの子、って感じです。最後も離れて暮らすお母さんに小田切と会いに行くのに、直前でビビって小田切だけお母さんと会って来るとか、小説に必要なカタルシスを満たしていない印象。全てがうまく解決するわけじゃないけれどこれからも悩みながら頑張っていく的なラストにしたかったかもしれないけれど、そうするにはエピソードの中でユウキのひたむきさなどをもっと書き込まないと読者には伝わりにくいかなーと感じました。モダモダを楽しめる人向きです。