ネタバレ・感想あり国宝のレビュー

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極道でも、役者でも。
ネタバレ
2025年9月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ やさしい語り口でテンポよく運ぶ文章がとても読みやすいです。ただし第一章は昭和時代ある地方の“組”同士の抗争の歴史から始まるのですが…

極道の家に生まれた喜久雄少年は殺された父親の敵討ちに失敗(そして本当のカタキは別にいると喜久雄は知りません)したのち、歌舞伎役者の丹波屋・花井半次郎に預けられることになります。魅入られたように稽古に励み、数年後には半次郎の息子俊介をさしおいて、半次郎の代役をつとめるまでになります。(映画版を見た後だと舞台姿や劇場の昭和感などが目に浮かぶのでよいですね😄)
その後俊介の失踪、半次郎の死と続き喜久雄不遇の時代になります。生まれや後ろ盾が大事な世界ですが喜久雄は自分の出自に負い目は持ってないんですね。喜久雄には世話になった恩は忘れないという信条があって、それは極道時代と変わらないというのが理由の一つのようです。そして世話になった人の借金は自分の借金だ、とスルッと1億以上背負い込んだりします。また祇園の芸者さんとの間にお子がいるものの「歌舞伎役者に隠し子がいたぐらいで誰が驚くねん」というのが一般的な価値観、という時代なのですが、年代とともに世相・風潮が変わっていくさまも当時の出来事、流行りとともにつづられていきます。
その後も紆余曲折、山あり谷あり、幸せも苦しみも濃縮されたような人生なのですが、散りばめられたエピソードがなんだかとてもよくて、たとえばイビられ続けの喜久雄が映画に参加したら、ロケ先でさらに散々な目に遭う話とか、徳治(何者かは省略)の綾乃ちゃん(喜久雄の娘)救出作戦の顛末とか、中年期の喜久雄が15歳のころの俊介との会話を思い出しているところなど…
下巻ではもう親戚ぐらいには喜久雄とその周囲の人たちに親近感がわいているし、彼らが幸せだとうれしくなるのですが、終盤ご本人は他の人が踏み込めない場所へ、行ってしまわれましたね…じわっと哀しみがにじむ結末ですが、立花喜久雄という1950年長崎生まれの、とある歌舞伎役者の役者人生をここまでいっしょに過ごせて幸せでした。
長々とすみません、お読みいただいた方ありがとうございました。
映画,小説どちらも素晴らしい‼︎
2025年8月21日
先日、映画『国宝』を観てきました
とても俳優陣の表現力が素晴らしく、
内容はわかりやすかったです
で、原作に興味を持ちこちらを読みました。
映画、小説、どちらもそれなりの良さがありました

映画を観た方は、是非、原作を読んでほしいです!
才能を持った天才が 純粋に芸を愛し、演じ続けた事、
又、関わってきた全ての周りの人間が、
美しく、魅力的に描かれています。
うまく伝えられませんが、とても良かったです!
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映画「国宝」を観て
2025年8月2日
国宝を先日映画館へ見に行き、喜久雄の生き様に深く魅了され小説を購入しました。
小説の方がより詳しく鮮明に描かれている事は勿論ですが、目を離すとふとどこかへ消えてしまいそうな儚さがより伝わり更に魅力が増しました。吉沢亮演じる喜久雄に惚れ込みましたが、小説版の喜久雄もさらに魅力的ですね。まさに生きる芸術
映画も原作も最高がすぎる
ネタバレ
2025年7月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 映画を観た後に映画を思い出しながら読みました。当たり前だけど原作も超面白くて一気に読みました!映画は2人の関係にかなり焦点を絞って感動させられましたが、原作の多数のキャラが入り乱れる感じもまたたまりませんね。女性陣も魅力的です。映画よりも少しクールダウンした調子で、映画でも使われた名台詞の数々と再会できて感無量。

ところで原作の俊ぼん、二枚目設定じゃなくてびっくりしたのは私だけ?映画はどっち観たらいいのか分からないぐらいの完璧な美形デュオでしたね。
予習
2025年9月16日
映画がとても話題になっているので予習として購入。上映時間の長さも話題になっているだけあって好みじゃなかったら辛そうだったので。読んでみた感想は面白そう。これは永続で観てみたいと思いました。
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映画の前に
2025年9月11日
映画の評判が良かったから映画を観る前に原作を読んでからと考えて。内容が私の身の回りとはかけ離れていたので、なかなか難しかった感が💦
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ネタバレ
2025年7月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 映画から興味を持ったので、ノベルで試し読みさせてもらいました。映画の評判通り、ノベルも素晴らしかったです!
悪くはないと思うが
ネタバレ
2025年8月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品のコンセプトは悪くないと思うが、典型的だ。

しかし、冷や水を浴びせるようで恐縮だが、メディアがブームだと過大評価すると、裏があると思わずにはいられない。
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作家名: 吉田修一
出版社: 朝日新聞出版
雑誌: 朝日文庫