ネタバレ・感想あり線は、僕を描くのレビュー

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描いて掴む
ネタバレ
2025年8月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 水墨画を通して自己と向き合う青年の成長物語

砥上裕將の筆致は静かで繊細ながら、感情の芯を鋭く突いてくる
主人公・青山霜介の内に抱える喪失と空白が、墨の濃淡とともに徐々に浮かび上がる構成が巧妙
芸術という抽象を、言葉でここまで具体に描けるのは見事

特に、師匠・篠田湖山との関係性には、男同士の無言の共鳴があり胸を打たれる
競技としての芸術描写も熱量があって、静かながらもドラマがあり、読むうちに、こちらも筆を取りたくなるような吸引力がある

全体としては、内省と再生を描いた、芯のある青春譚
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水墨画を描く動画を見てほしい
2024年10月15日
両親を亡くし、喪失感を抱えた大学生が水墨画に出会い徐々に心を取り戻していく話。
描く描写が具体的で、頭の中での再現が容易だと思ったら、作者は水墨画家なんですね。
検索すると実際に水墨画を描く動画があるので、見てほしいです。
イメージした通りだった!
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絵師と画家そして芸術
2022年10月23日
絵が好きで画家になりたい時もあったが
自分が上手い事と人のこころに響く絵描きになれる素質がないことに、たった15才で自覚し、それからは絵を鑑賞するだけになった。
長いこと海外の画家に惹かれ、歳を経てからは日本画がこころに染み入るように好きになった。そして映画を見、この本を読んで
15才の時に感じた絵の才能と表現力の違いをはっきりと再確認した。
そして水墨画の表現の豊かさ、奥深さに
白と墨黒と薄墨のグラデーションが、渡辺省亭のあの牡丹の華やかさに劣らない凄さが
目の前に展開され圧倒された。
綺麗な小説
2022年6月14日
文章が丁寧で物語に入り込みやすく綺麗です。読みながら自然と水墨画への興味が湧き、作中に描かれる画を想像したりしながら楽しく読みました。
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作家名: 砥上裕將
出版社: 講談社
雑誌: 講談社文庫