ネタバレ・感想あり唐国の検屍乙女のレビュー

(4.0) 1件
(5)
0件
(4)
1件
(3)
0件
(2)
0件
(1)
0件
妓院や後宮にいる者の命を弄んだのは?
ネタバレ
2023年9月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 妓院を作ったのは誰だ?必要悪だと言う考えもあるだろう。世界中で歴史上で、現在もそれは形を変えて存在している。
後宮を必要とするのは誰だ?世界中で歴史上で存在したそれは、現在は存在していないように見えるが、果たしてそうだろうか。
許紅花も高九曜も頭脳明晰で、観察眼に優れているので、事故死にされるところだった蛍火と朱芽衣が何者かによって殺害されたと判る。哀しい境遇にあった者が正に幸せになろうとしている時にその命を奪うという極悪非道の行いが何故できるのか。あの世に行けずに彷徨っていた魂は救われただろう。
高九曜も自分のことをわかってくれる許紅花に出会えて良かった。二人がこれからも検屍官をするなら、浮かばれない魂がかなり減るだろう。其れに連れて、妨害もされるだろうが、劉天佑や石英が助けてくれるに違いない。
弐巻目では、許紅花は祖父によって、己の知らぬ間に意志に反して結婚させられる羽目になる。祖父の考えでは女は男に従って家のために結婚するもの、また世の中は男が動かしているというものだ。しかし、高九曜が婚礼の日に爆竹を使って家から連れ出してくれる。それに前後して起こっていた殺人の渦中に巻き込まれて、二人で殺人の真相を探る。許紅花は身体能力の高さと意志と知恵でもって一度は死の手から逃れ、騎馬の乗り手から馬を奪うなどする。そして、高九曜と共に殺人者を暴き出し、殺戮者に仕立て上げられた男童を助け出し、井戸や都の水源を毒で汚染して多くの人を殺害しようとした企みも阻止することができた。
しかし、祖父は自分の意に沿わぬ許紅花を家から追い出してしまう。父母や姉に対して申し訳ないと思うものの、これで漸く自分の思う生き方ができると考えた許紅花は高九曜の家に行き、一緒に暮らすことを選ぶ。検屍医や医者として生き、危機的状況を彼と共に潜り抜ける面白さに嵌ってしまったようだ。
いいね
0件
レビューをシェアしよう!