中卒19歳隆二と、セレブ30歳春川の話、小説。海野さんは「最近の部下は難解です」など読んでて作者買い!本作も面白かった…じっくり読みたいのに、面白さについつい読み急いでしまう。隆二が不幸な生い立ちの割に素直で良い子で、人のせいにしないで健気に頑張ってて、これはね、泣いちゃったね。必死にバイトしてこども食堂開いて、自分はクタクタなのにろくに食べず、そして春川に好かれていると勘違いして恥をかき姿を消すという…もう、大大大好物の展開で。もう、もう、これでもか!と心臓抉られました…ありがとうございます!攻めの春川は最後まで宇宙人で、なに考えてるのか分からずフワフワした印象。でもお互いに全く違う価値観を教え合って、影響を受け合って、そしてお互いが成長する、素敵な話しでした。関わらないことで身を守っていた隆二が、関わらないことこそ身を滅ぼすことだって気づいて人と関わっていったり、行儀や学業が生きる目標を叶える手段になると学んで身につけようとしたり。虐・待を受けている子供は役所に届けるべきと言う春川に対する隆二の答えと、それを受けての春川の変化、そして読んでいる自分も認識の甘さを痛感し。面白かった。春川がなあ、も少し現実味があればな。