ネタバレ・感想あり日本陸海軍機英雄列伝のレビュー

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戦後八十年の節目の年に
2025年8月5日
八月といえば終戦の月なのでこちらのレビューを。戦争にまつわる事柄の中でも、私が取りわけ興味を持っている航空隊についての一冊です。
当時の日本の陸海軍の名機と謳われる航空機の数々。それらが写真やイラスト・図面付きで、機体の戦史や関連する人物の逸話等も織り交ぜられ解説されています。今でも人気が高い有名な航空機は全て網羅されているはず。

陸軍航空隊におりました私の大伯父のかつての搭乗機・四式重爆(飛龍)についてのページもあり、嬉しい限り。当時の貴重なモノクロ写真とともに以下のようなエピソードも。
四式重爆は前述の通り陸軍の爆撃機ですので、搭乗員は当然のごとく“陸軍の重爆隊”に所属するメンバーたち。
しかし戦争末期になると(一時的にですが)その中の一部が海軍航空隊の指揮下に置かれることに。ハイスペックな四式重爆を雷撃機としても使用することになったため。
搭乗員たちは爆弾の代わりに魚雷を吊り下げた愛機に乗り、“雷撃隊”としての訓練を行っていたそうです。
日々のルーティンは全て海軍式に切り替えられて、陸軍メンバーはてんやわんやだったのだとか。慣れた陸→慣れない海、敵機や敵艦と戦いながらの彼らの苦労を思わず想像してしまった。
大伯父も海軍と共同で任務に当たった中の一人だったらしく…。現在私の手元に僅かに残っている当時の資料から、うっすらとそれが窺えるのです。本人が元気なうちに、その頃の話をもっと詳しく聞いておくべきだった…。物凄く後悔しています。

大伯父や祖父然り、当時戦争に行った方々は多くが鬼籍に入ってしまわれているはず。
もう生のお話を聞きたくても聞くことが出来ない。その方々のお陰で今があることを、忘れずに心に刻みたいです。

当時の空に思いを馳せながら読ませていただきました。戦後八十年の節目、平和への祈りも込めて。
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