ネタバレ・感想ありお江戸けもの医 毛玉堂のレビュー

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犬好き猫好きには堪らない表紙絵
ネタバレ
2023年5月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『お江戸けもの医 毛玉堂』は、2019年7月に単行本で出版され、2022年10月14日に文庫本として発行された。
『玉の輿猫 お江戸けもの医毛玉堂』は2022年10月15日に文庫本として書き下ろされた。
この時代小説の主人公の医者の凌雲は小石川養生所で医者をしていたものの、ある時、自分が病気の赤子の母親に言った言葉が足りなかったせいで赤子が重篤な状態になり、その一家が離散してしまったことで、医者としての自信を失い、祖父母の隠居家で鬱々と過ごしていた。
十三歳の頃から許婚と聞かされていた美津は十八になっていたが直ぐに駆けつけて凌雲の世話を焼き、凌雲が生家から連れて出た老猫のマネキを可愛がった。
美津は生家の八百屋でも拾ってきた犬猫数匹と店番をするぐらいの無類の動物好きだ。家先に繋いだままで捨てられていた白犬に手間暇と思いやりを掛けて接する美津を見るうちに、凌雲に、再び医者として生きる気力が湧いてきたようだ。
そして、物言えぬ生き物の病気と体を新しく学ぶことで、医者としても人としても再生することを選んだようだ。
凌雲と美津が二人三脚で『けもの医者の毛玉堂』にやって来る犬や猫や兎などとその養い親達に様々に関わって、病気や傷を治していく。
しかし、凌雲の美津に対する態度が家事手伝いと助手の域を出ず、周囲の人には妻と告げているのが白々しくてならない。二冊を読み終わっても、まだ、二人は手をつなぐだけというのは余りにもおかしい。もしかすると、凌雲は男色かもしれないと思っている。奥手と言って済ませられる年齢でもない。
この二人の関係性に最初から違和感があったのに、見ないふりをして読んだけれども、凌雲に対する不信感とこの小説の作者に対する残念な思いが心の中に満ちてしまった。
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