人には友が必要だという考えがあります。
確かに、お互いに心の支えとなり人として成長できるような関係を築くことができるのならば必要でしょう。
そういう間柄の友であれば、終生の友として誇れるものでしょう。
けれども、往々にして複数の人が絡んでくると、それは最早友と呼べるものではなく、大勢の意見に釣られて自分を見失ってしまうことが多々あります。
そして、大勢で良いことをするのならまだしも、大抵は良くないことをしてしまいがちです。
何時の時代でもそうやって若い者は身を滅ぼしてしまうことがあり得るのです。
何故なのでしょう?
一人ではできないことを数人寄ればできてしまうのは。
責任の所在が曖昧になったり、気が大きくなるからでしょうか。
今作でも、一居の観察眼と推理力は冴えていました。
おちえの勘と虫の知らせにも侮れないものがありました。
悲しい物語ではあるのですが、若い真っ当な人達を見ていると心が平静になれます。
何時ものようにおちえと母親の滝の会話に和まされました。