ネタバレ・感想あり仕立屋探偵 桐ヶ谷京介のレビュー

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冥界からの依頼を取り次ぐ猫のぼっこ
ネタバレ
2023年7月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 日常生活を営む私たちの意識は自分自身の現在と未来のことが主に占めている。
自分自身が一週間前の同じ曜日に何をしていたかさえ定かでないし、十年前に至っては自分のことであっても大雑把にしか覚えていない。
警察はその十年前の事件を公開捜査に踏み切ったようだが、一般の人々から情報を提供してもらおうと考えるにはかなり時機を失した感がある。
桐ケ谷京介が警察に提供した情報を玉石混淆の中から見つけだすことができない警察。
桐ケ谷は此の事件の真相を見通すことができるのは自分しかいないことを知っているので、強い意志で警察と繋ぎを取ろうとし、担当刑事と接触できた後は彼らの強い興味を惹くことを告げる。
桐ケ谷はヴィンテージショップの水森小春と共に、事件で少女が着ていた特異な服の謎の解明に乗り出す。その過程で、技術と記憶力に優れた現役で働く年配者たちに出会い、彼らから得ることができた事実を基に事件の真相に辿り着く。
桐ケ谷が描き出した少女、造形した少女はこうして認識されたのちに、「川島美乃里」という名前を取り戻す。
彼女は自分の名前を何処かに書いたことがあったのか?「美乃里」という綺麗な名前を付けて貰ったのに?
桐ケ谷が泣いてくれて、「川島美乃里」という薄幸だった少女はやっと成仏できたのだろう。
事件がこうして解決したのに、後味が悪い思いが残って遣る瀬無い。
次作では、水森と共に、『未解決事件専従捜査対策室』から依頼されて、過去の殺人事件の犯人を見つけ出す桐ケ谷。
そして、過去に、身近に居る者から身体的にも精神的にも酷い扱いを受けていた子ども達を救うことができなかったことを今も悔やんでいる桐ケ谷は、水森と共に、南雲の助けも借りて、今度こそ其のような現状に居た少女達を救うことができる。
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