ネタバレ・感想あり一房の葡萄のレビュー

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子どもの時に読んだ
2025年3月23日
子どもの時に、道徳の時間か何かで読んだ記憶があります。読み直すと意外に覚えていなくて、意外に新鮮な気持ちで読めました。
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短くも深い作品
ネタバレ
2024年11月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 子供の頃に家にあった文学全集で初めてこの作品に触れた時には、「主人公が謝らなくても許してくれたジムは優しいなぁ」くらいに思っていました。大人になってから作者の有島武郎やこの作品の背景などを調べて、改めて読んでみると、キリスト教の教えに基づいて書かれた作品なのが良く分かります。ヨハネの福音書にある、イエスが自身を葡萄の木に、信者を枝に喩えた文章が根底にあり、その上で有島武郎自身の幼少期の体験を書いたのがこの作品で、クラスメイトの絵の具を盗んだのは幼い作者自身だったとのこと。有島家は裕福だったそうですが、作者は長男として非常に厳しく育てられ、外国製の高価な絵の具をねだれるような家庭の雰囲気ではなかったのでは、という説もあるそうです。もしそうであれば、ジムの絵の具を盗むしかなかった「僕」の気持ちを思うとなんとも切ないし、この作品が「単なる幼少期の思い出」というにはずっと深いものがあるように思えます。作中で、「僕」があれこれ思い悩みながら「つまらなく家に帰っ」ても、先生が下さった葡萄を「おいしく食べてしまっ」たところに、子供の無邪気さが垣間見えるようで、少し救われる気がしました。
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