翻訳者が「菊池寛」とあるのを見た時「同姓同名の別人かな?」と思ったら、本当に、あの「菊池寛」ご本人!外国文学の翻訳もなさっていたとは知りませんでした。小公女といえば、アニメの「小公女セーラ」の印象が強いのですが、原作の小説はアニメ版よりずっとシンプル。100年近く前の翻訳なので、さすがに古めかしい表現(「宮様」に「プリンセス」と振り仮名が付いていたり)も多いですが、逆にそれが昔懐かしい感じで良い雰囲気だと思いました。どんな時でも奢らず、卑屈にならず、真っ直ぐで誠実なセーラの心と態度は、大人の目から見ても凛として美しい。児童文学として書かれた作品ですが、優れた作品は大人が読んでもやっぱり良いものですね。