ひたすらヒロインを求め続けるヒーローと拒み続けるヒロイン。
ヒロインは強情で中々ヒーローを受け入れません。
でもそれは実母の呪詛の様な妄執を一身に受けていたからでもあります。
自分では大人になったつもりで、自分で考え選んだつもりの道であってもかなりその身近に居た大人の影響や考え方を色濃く受けているモノです。でなければヒロインはもっと早くヒーローを受け入れていたはずなのに。
そして大人になりきれないヒロインが素直になるキッカケを作ってくれたのもまた、ヒーローとは別でヒロインを大事に思ってくれた大人でした。
物語の最後になって、ヒロインはあの瞬間やっと大人になれたんだと思います。
流されるだけで、身体は大人になっても自分の心も分からなかったコドモがやっと気付いたあの瞬間。
唐突なシーンでしたが、現実のわたし達も自分の本心に気づく瞬間なんてそんなもんじゃないかな、と思いました。