登場人物は少なく、世界もこぢんまりしていて、陰謀とか当て馬とか、そういう「賑やかし」は一切ないです。
だからといって地味というわけでもなく、ヒーローもヒロインも、脇キャラたちも丁寧に描かれていて、それぞれの人となりが鮮明にイメージできるし、シーンごとの景色や部屋や屋敷の様子、衣装、そういうのもやっぱり描き方がとてもお上手で、挿絵がないのにキャラたちの姿や表情、場の空気感、そのシーンごとの情景が見えるようで、とても入り込めました。
ただ、あまりにもラブシーンらしきものがなく、キスシーンさえもなく、TL小説だと勘違いしてたのかなと読み進めたら、最後の最後でTLシーンがあって、「あ、やっぱりTL小説だったんだ」となったくらい途中にそういう描写は無いです。
でも、買ってよかったです。良いお話でした。