ネタバレ・感想あり仕舞屋蘭方医 根古屋冲有 お江戸事件帖 人魚とおはぎのレビュー

(5.0) 1件
(5)
1件
(4)
0件
(3)
0件
(2)
0件
(1)
0件
誠吾と冲有はお互いが救い人、得難い友垣
ネタバレ
2024年12月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 犬飼誠吾は、父母から優れた気質を受け継ぎ、愛情をもって育てられた人です。
そのお蔭で、天真爛漫で物事の真偽を見抜く正しい目と心根を持っていましたので、窮地に留め置かれていた根古屋冲有に対して、偏見どころか称賛を示したので、冲有は青天の霹靂のような想いを懐いたのでしょう。
そして、誠吾は冲有が酷い境遇から抜け出すための手助けをしてくれたのです。
次に、冲有を助け名前を付けてくれて生きるための生業を惜しみなく与えてくれたのは、蘭方医の根古屋道三でした。
彼のお蔭で、自分を苦界から救ってくれた誠吾を失わずにすみました。
人は相見互いと言われますが、誠吾と冲有の身近にいる人達は真にそうなのでしょう。
愚かな人達が次々に現れますが、人の弱さを見せられ、誰しも一歩間違えればそのようになるのだと思い知らされました。
江戸時代の刑罰は真っ当で胸の空くようなものなので、現代の刑罰が如何に生ぬるいものかよく分かります。
『目には目を歯には歯を』という刑罰は古い時代のものですが、今こそ必要なのではと思います。
冲有とお鈴と誠吾と三匹の猫たちが醸し出す雰囲気が、事件や人の恐さを和らげてくれます。
これで完結していると思うのですが、もう少し誠吾と冲有の活躍を見てみたい気もします。
いいね
0件
レビューをシェアしよう!