黒川あかねという女の子の優しさがただただ染みていく物語でした。「二人の」と題名にあるように、これは物語の主軸になる人物が二人いるので、どちらに重きをおくかで受け止め方が変わります。個人的にはあかねをより理解するための物語でした。生まれ持った性質で他人の理解など出来ないのに、理解しようともがく様や、その過程にぶつけられる言葉のナイフに傷だらけにされても向き合う彼女の強さに胸が苦しくなります。
放っておけばいいのに、流せばいいのに、向き合わなければいいのに。
適当な言葉で「彼女」を天狗にさせ、堕ちていくときは手も差し伸べない大人たちと同じように見捨てればいいのに。
優しいからこそ、それが出来ない。どれだけ想いを踏みにじられても真摯に向き合うあかねは立派だなと思わされます。
そしてその自己犠牲精神が、彼女を地獄に突き落とす。彼の幸せのために見返りなく進む様に、どうか幸せになってくれとは思わずにいられない。
いつかあかねが報われることを信じて。