珠玉の小編。舞台は日露戦争最大の激戦地となり、日本軍に1万5千人以上の犠牲者を出した203高地。ここを奪取することがバルチック艦隊壊滅作戦に必須。乃木大将が率いる日本陸軍最前線の末端兵士たちのお話。当時の日本軍の武器は5連発の銃、対するロシア軍は当時最新の機関銃を装備。圧倒的な武力と物資の差の中で、極限状態にある彼ら。生きて帰っても居場所がないという福本軍曹、福本に希望をもたらす朝田伍長。短編作品ですが、さすが野原先生。読み応えがすごい。読後感はずっしりです。言葉を交わした直後に爆撃で絶命する江口の描写に、なぜか夢野久作のロシアが舞台の某作品を思い出しました。テーマは重いしBLではありませんが、好きな方にはズドンとハマると思います。