この作品はファンタジー要素の無いストレートな王宮ラブストーリーなので、余計な知識を入れずに直球のラブストーリーを読むことができて新鮮です。
個人的に王女と騎士の作品が好きなのでよく読みますが、ほづみさんの作品は身分差の壁を乗り越えて結ばれる2人の焦ったい関係を描くのが上手いです。
この作品の2人は、王女は天真爛漫な傾向、騎士は堅物で寡黙で真面目。そんな2人の焦ったい関係を短いストーリーの中に上手くまとめてあって、短いながらも物足りなさは気になりませんでした。
2人の間を邪魔するものは『身分差』だけで、横槍を入れる女、男もおらず、2人の気持ちの問題だけで解決するラブストーリーなので、それを物足りないと思わない人には良いと思いますが、拗れまくるストーリーや、敵対するライバル達の存在のいるストーリーをお求めなら、少々物足りないかも?しれません。
それでも、まとまったストーリーで満足度はあるので読む価値はあると思います。
星は、挿絵が無かったのと、もう少し拗れても面白かったかな?という想いから、星4つです。