ネタバレ・感想あり汝、星のごとくのレビュー

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この先も読み続けたい
ネタバレ
2025年9月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 凪良先生のことは美しい彼で知りました。
今作が本屋大賞を受賞したことは知っていて、いつか読みたいと思っていました。たまたま広告でコミック版の無料立ち読みがあったため、冒頭を読みましたが、あ、これは文章を読みたいと思い、電子書籍を購入しました。明け方に読み終わり、いてもたってもいられずレビューを書いています。
主人公の暁海とは、年齢も置かれている状況も違いますが、暁海が櫂とすれ違っていく場面では、暁海の葛藤が自分のことを書かれているのかと思うほど共感できました。凪良先生のようにうまく文章にはできませんが、確実に言えることは、きっと私がこの先悩むたびに、この作品を読むのだろうと思います。
櫂くんには辛いことが多かったと思いますが、最期の時を暁海ちゃんと過ごせたこと、一緒に花火が見れたことで救われました。
次、生まれ変わった時には櫂くんと暁海ちゃんが身軽に生きていけますように。
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自分の足で立つという事
ネタバレ
2025年8月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミカライズで読み始めましたが
「綺麗な文章」だから活字で読んでほしいと娘からハードカバーの本を手渡されました。
コミカライズ1巻で、閉塞感の中で生きる主人公たちのその後がとても気になっていました。
物語は「暁海」の16歳から34歳までがえがかれています。
瀬戸内の島という狭い領域の舞台背景が、
物語の冒頭での近所の住人のプライバシーを踏み越えて侵略してくるさまが、
まだ学生の身の主人公たちに早くこの状況から抜け出したいと強く思わせる第一章。
彼等の母親の、その依存した生き方が子供にどれほどの重荷を背負わせている事か・・・
まだ“見捨てる”という無情さを持ち合わせていれば救われる部分もあったのか・・・
自分ならば、母であっても子供であっても、主人公たちのように優しい思いを持てたかどうか解らない。

「暁海」の父の愛人は、刺繍作家として独立して生計を立てられる人で、
他の家庭を壊した十字架を背負ってはいるけれど、
「仕事をしているから蓄えがある。
お金があるから自由でいられる事もある。
誰かに依存しなくていい。
イヤイヤ誰かに従わなくていい。」
・・・その言葉は胸に刺さる。

男女の身体的能力や役割は充分加味した上で、
女性が一方的に我慢を強いられてはいけないと思うのです。
言うことは言う自分である為に、いつでも自分の足で立つ覚悟は必要だと感じます。

物語は終わりましたが、まだもう少しこの世界に浸っていたいと思ってしまいます。
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作家名: 凪良ゆう
出版社: 講談社
雑誌: 講談社文庫