飲み屋で意気投合し一夜を共にした相手が義理の家族になるお話。
家族になってからの戸惑いや弟たちに恋人として認められ上手くやっていく過程は、家族愛と恋愛がいい具合に絡み合ってとても面白く読めました。チリと由万は二人とも弟たちが大好きだし、そんな家族思いな部分を理解し合える大切なパートナーであることが丁寧に描かれていると思います。また、由万のお兄ちゃんとしてのしっかり者の顔と、チリと二人でいる時の甘えたで肉食なギャップはめちゃくちゃ好みでキュンキュンしました。
ただ、ラストが急展開。最終的にバレる展開はやってくるだろうとは思っていましたが、解決に至るまでの過程が雑すぎてビックリしました。最初の出会いや弟たち公認の関係になったことを説明する場面もなかったし、お父さんが二人の関係についてどう思っているのかを話す場面もなかった。二人の関係が認められたにしても、姉夫婦がどう思ってその決断に至ったのか、今後の家族としての向き合い方はどうするのか、まるで分からないあやふやな状態で終わってしまった気がします。お父さんの手紙という伏線も全然効果的でなく、必要だったかな?と疑問を抱きました。姉夫婦が帰ってくるまではキレイにお話がまとまっていた分、最後の難関である親バレの部分はもっと話数をかけて丁寧に描いてもらいたかったです。それまでが家族愛中心でありながらも恋愛のドキドキ要素があるほっこりとしたいいお話だっただけに、ラストの無理矢理感・詰め込み感は本当に残念でした。