没落名家の復興のために娘ダーナを資産家に嫁がせようとしたが相手は詐欺師だった。物語に母親は登場しないが、そこを潔く取っ払っているのは懸命に思える。しかし、取っ払いが過ぎる印象だ。ダーナの婚約者であるテートを登場させないのはやり過ぎ。サムとダーナの関係の進展重視なのだろうけれど生憎決め手に欠ける展開となってしまった。事象においてもツッコミどころが満載で、無線機をぶっ壊す場面ではなぜイヤリングを外すのか説明も無い。ライザの登場シーンも不自然。島に近づくボートを見れば誰が訪れたのかサムは気付いたはず。それらを匂わせることで読み手を引き込み展開の予想を裏切るかもしくは予想通りとするか、読み手が楽しむべきなのにそれがなされていないから、面白くない。サムの表情や態度からそれらが伝わらず淡々と読み進めていってしまって「ああそうなの」と読み手を傍観者にしてしまっている。
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