スーツ姿がかっこいいとか、休日のカジュアルな服装がいいとかが、HQの萌えポイントの定石だが、この話はなんとランニングシャツが一番似合う、素敵、と。新鮮で計算高さのないのがいい。
雨の中の彼のダンスで恋に落ちるヒロインに爽やかな気持ちをもらった。邦題が素晴らしい。
そして、自分の夢、彼の本当にやりたいこと、何を優先するか、とてもさっぱり進んでいく前向きストーリー。
「ババァ」様に啖呵を切るのも小気味良かったし、母親に自分のやりたいことをやってとパキッと威勢がよく、お金なんかなくても生きる力に溢れていて頼もしい。
人の財産なんか初めからアテになどしない潔さは二人に共通していて、明るい未來を築くだろうという素敵なエンディング。
シンデレラストーリーに飽きたら、お口直しにどうぞといったような趣の、ガッツ溢れるカップルのストーリーは、汗と暑苦しさを臭く感じさせない。
身体のしなやかなさを強調するダンスシーンに、狩野先生の絵だ、という感じがした。