これ、好きな人にはたまらんでしょうな(笑)
暗い御伽噺をどんより重い雰囲気で味付けして、民俗学ファンタジーと絡めてあります。
先読みの夢にも見られる伏線、村人達の軽ーい感じの雑談ですら後々生きてくる!!
神楽刈家のくだりなんて、超現実的なお役所側から攻めて行ってすら怖い!!
私が相貌失認なんて症状を初めて知ったのは京極夏彦先生の御本なんですけど、そのネタがフルに活かされてゾワゾワするような使われ方です。
何もかも凝っていて、語り部として一瞬登場する村のおばあさんですら悪夢に誘うような…
どのキャラも凄い存在感です。
「こちら側」の住人であるみゆきさんですら非常識の絶壁に立ち、ふわふわして頼りない主人公は呼び寄せられ…
山、神秘、土地神、盲目の巫女(イタコではなく…)、先祖代々の山、受け継がれる血脈、
そういうワードが引っ掛かる方は是非読んでみて下さい。