なんとなく読み始めたのですが、予想外に良いお話でびっくりしました。
教師と生徒の禁断モノって感じではなく、心がじんわり温かくなる大人の恋って感じでした。
先生が表紙よりもオッサンだったし、表紙のようなシチュエーションはありませんでしたので若干表紙詐欺を感じますが、そんなことどうでもよくなるくらいストーリーが良いです。この作家さん、上手いです。
私はオジサンキャラとか普段苦手で、ビジュアルだけならむしろ年下キャラとかの方が好きなんですが(笑)、この作品で主人公の恋のお相手となる先生は、それだけ歳を重ねているからこその魅力がすごく伝わってきて、主人公が好きになったの、すごい分かるなぁと思えて良かったです。
中身の伴わないオジサン属性キャラみたいな漫画が苦手なだけなんだと気付かされました。
先生にとっては何気なく引き受けた塾講師先で、偶然出会っただだの生徒に過ぎない主人公と、偶然関わりができてしまい放っておけない状況だった為に、声をかけただけで…。
でも主人公にとっては、先生と偶然出会ったことにより、一人ではどうにもできなかった事が解決し、でも先生に最もな意見を言われ反省しつつも落ち込んだ時に、最後の先生の何気ない優しい一言にものすごく救われたり。
きっと、惹かれずにはいられなかったんでしょうね。
まだ高校生なのにオジサンに恋…と、普段なら引いちゃうところですが、この作品は本当に上手くキャラクターの魅力を引き出して描いてくれているので、先生の良さを分かって惚れるなんて、主人公は男の趣味が良いなと思えました。
また、先生はずっと主人公のことを生徒としてしか見ていなかったし、主人公が側に寄ってくることに慣れた頃でも、自分が娘くらいの年の子に惚れるわけがないと自分の気持ちに気付いていないのにすごい納得できました。そりゃあ、自分自身でそんなまさか…と思うだろうなぁ、と。
でも、隣にいる事を許し始めた時点できっと、主人公の優しさ、真面目さ、真っ直ぐさには好感を持っていたのだと思うし、本当に気付いたら好きになっていたことに戸惑いを隠せない先生にキュンキュンしました。
先生との恋を通して成長した主人公と、主人公のおかげで歳とか関係なく恋をする気持ちを知ることができた先生。
偶然と、勇気を出して作った必然で、まさに二人の運命の恋だなと思える物語でした。