ネタバレ・感想あり平和な学校のレビュー

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興味深い設定
2025年10月5日
2作品収録されています。どちらも読み手によってさまざまな感情が湧き上がるのではと思います。物事を別角度から見るきっかけをもらえる素晴らしい短編でした。
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作者買いです
ネタバレ
2025年9月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「しかし何も起こらなかった」全3話、「英雄の親」全4話、表題作+表題作の数分後を描いた描き下ろし。
「しかし何も起こらなかった」は表題作のプロローグ的なお話で、平定者というシステムが導入された当初の高校が舞台になっています。平定者とは生徒全員が卒業できるように、学校生活で起こる問題が顕在化する前に陰で根回しして、その芽を摘み取る人間のことで、クラスメイトに擬態して紛れ込んでいます。一回読むだけでは何が何だかわからなくて、何度も読み返して何となく話の筋は理解できましたがモヤモヤは残り、何とも難しい問いを投げかけてくるなぁと思いました。表題作では、峯の卒業後、20年くらい経ってるのかな?平定者というシステムが定着した社会が描かれています。何も起きないように立ち回り、何も起こさず「平和」に生きていた峯がその平和をぶち壊されたあの日から、ずっと自分の中の空洞と向き合っていたことが分かり驚きました。平定者として子供達から学びの機会を奪いながら、別の形で学びの機会を与えるという、一見空しい行為のようですが、彼なりの落としどころなのかもしれない。彼がそのような不器用な生き方をしていることが意外でしたが、一度自分の中の空洞に気付いてしまったら、それを埋めようとせずに生きることなど不可能なのだという暗示なのかな。
もう一つの収録作品である「英雄の親」は全く違う世界線のお話でしたが、特殊な設定から物事の本質を問いかけるように描いている感じが表題作と共通していて、読後は「う~ん」と唸ってしまいました。「これは愛なのか」という問い自体がナンセンスだなと思いました。たぶん、全部愛なんだろうな。
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不思議な作品
2019年8月26日
ちょっとダークで不思議な話。1回目でわけわかんなかったとこも読み返すとどんどん話が見えてきて印象が変わるので面白い。作者さんの短編スキルがすごい。
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作家名: D・キッサン
出版社: 一迅社