シーモア島でご紹介があり入り込んで今3巻目。8巻で面白くなると書かれているレビューアーさんがいるので、そこまではたどり着きたいが、コスパで相当足踏みしそう。
完結まではまだ、最低1年という予想がされているらしいが、女性向けとして肉体 関係場面も混ぜつつ、でも、心情場面も描写。それにしては、相互に相手を知ろうとの動機も何となく流されて、ただ会っている+ベッドシーン=付き合ってる、にズルズル留まっている印象。
発想自体が面白い漫画で、その才能も持ち主としては他人に誇るというよりも、持ってうまれた特異な感性として、時に正確な状況把握になり有利なときもありつつの、本人的に他の人にはわからない分だけ孤独に辛さを抱えてもきた、という経緯。
嗅覚だから、他の特殊能力の超人的なレベルというより、世の中には匂いを嗅ぎ分ける才能を活かす職も実在するため、普通と超人のマージナルをフラッとしてる感じ。
この嗅覚に関する能力の活かし方がストーリー中ネガティブに働いていることの方が多くて、九条の斜に構えた風にも受け取れる人間関係特に恋愛面が、読んでいて時間を重ねている割には踏み込ませない踏み込まないのスタンスに疑問。広い世の中には居るかもしれないが、少しずつ遠慮も薄まっていい気もするし、距離感みたいなものも縮まる感じが、わずかでも見えていってもいいとも思うのに。
肝心の嗅覚も、ポジティブな要素は専ら恋愛進展段階の香りに用いられているのみで、どうもストーリーの問題提起の中には、九条自身の変化とか嗅覚の活用が私には感じにくい。反面、主人公は対人接触恐怖みたいなものを徐々に乗り越えそうとの動き見せているのに。
付き合っていながらねぇ、という気持ちでいっぱいで段々読むのが億劫なところも。その割に恋人同士の行動は取っているのだからちぐはぐ感が。時間を作って会ったりしながら、しかも回数を重ねながら、何故に停滞感、閉塞感を作品からこれ程味わうのか、私にはこの時間の使い方は、漫画を読む行為の中でのよほどの暇がないと無理、という気になる。
人には十中八九好感を持たれる一般に普及している有名な香りであろうとも、ある人には苦痛を持たれ使用を止めたこともあったし、全く正反対に、他の人なら無臭なのに私には居たたまれないこともあった。それほど香りは重要だし記憶喪失にも回復の鍵とも言われたりなど実に面白い題材と思う。