虚構の中に事実を織り混ぜた、サスペンス仕立ての怪奇浪漫。いかにも史実としてあり得たかのようなストーリーで、興味をそそられました。読み応えあります。作家は実在した人物を持ち駒にして、彼らを自在に操って読者を誑かしてくるんですよね。思い切り騙されるのが、この作品を楽しむのにはよいと思います。上下巻読みましたが、上巻の方が絵も話も面白かったです。下巻はやや失速感ありなのと、乱歩の扱いが軽すぎて物足りない気がします。…ってそれだけ毒されてる気がしないでもないですが。
絵は幻想的で美しく難解です。これを読み解くのもまた、楽しかったです。
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