ヒーローデミトリーはパイオニアにはなれず、ヒロインモリーは夢をかなえた物語。そして、再会を機に 同じ思いをさせてやるというモリーの思惑が表題。表題通りに進展していく物語に、ほくそ笑みながら読んでいた。しかし、どちら側の立場になろうと 心の痛みは同じだと気付いても、後の祭り。面白い展開。あの頃とは状況が違うのだ。重ねた年月は、環境を変え、価値観を変えた。いつの時代も、親というのは愚かなものだ。子供の為を考えての助言のつもりが、子供の可能性や未来を摘んでしまうキッカケになることを 理解している親は少ない。理由は、今風に言うならコスパが悪いから(笑)失敗は成功の母というけれど、子供にあえて失敗を望む親はいない。裏返して言うなら、失敗の尻拭いを親がしたくはないのが本意、だからデミトリーには一族の行く末にプラスになる結婚を勧め、彼は従った。 何もかもに始末が付いた 今 になって始まるストーリーに、わだかまりと、恋慕が入り混じる。2人を分け隔てていたものが、形となってそこにある今、もう、感情だけを礎にして行動することに、何の障害も無いのだ。