ネタバレ・感想ありイヌジニン ―犬神人― [電子新装版]のレビュー

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妖怪退治ものですがとても面白い
ネタバレ
2022年8月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「ケ」と呼ばれる神道でいう穢れとか怨念とか執着の塊が事件を起こし、それを荒事で解決する集団の話。
集団は警察や公の組織に対して強制力があるようなないような、結構中途半端な状態で、必要な情報を以前の案件で知り合った刑事にお願いして入手したりしている。
主人公は三隅という男性でこの人はケを祓う力を持っているがケ自体を見ることが出来ないのでケや、ケによって操られた人間にボコボコにされる。とにかく怪我が多く痛々しい。
他の方のレビューにもあったように大人が安心して読める妖怪退治もので、読後感はスッキリしている。
それに三隅の周りの人間関係が面白い。
特に守谷というこの集団の頭脳的な人物がいてオスカーワイルドみたいな見た目で嗜好も同じなのだろう。逆らってはいけない人物らしく情報を求めるともれなく生贄を要求され、何も知らない新人が差し出されていた。
守谷とその自宅が描写されるともれなく新人も描かれるが、初登場では普通の黒いスーツを着ていたのに2回目でジルベールみたいな袖の手首側が膨らんだブラウス、三回目はピッチピチのTシャツ姿で自分から守谷に悪戯を仕掛けるなど成長を見せていた。
三隅も格好良いし守谷も面白いし、審神者の話もオチがついてないし、是非是非続刊が読みたいのだが難しいのだろうか。
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レイリに導かれて
2021年5月11日
レイリがとても面白かったので本作へ導かれて拝読。大好きな低俗霊狩り的な心霊ものかとおもいきや、超常現象を切り口にした、大人が落ち着いて読める良作でした。エバタのロックも好きですが(笑)
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闇に引き込まれる緊張感を感じる
2020年1月1日
「レイリ」を読み、同じ作者の作品を探していてこの作品を知りました。人の生き死に、悪意に無邪気、性に翻弄され、救いが見えない運命でも、誰かが垣間見た生の痕跡をたぐることでわずかな光明が見えることもある。ハッピーエンドにはならないけど、近くに存在しながらも見えない闇に人間の愚かさと強さを感じた。
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作家名: 室井大資
出版社: 秋田書店