姉編(「内気なエンジェル」)よりこちらの方が揺さぶられかたの大きい話だった。レビューアーさんの忠告を見過ごして、こちらを読むのが後になってしまった。
ちょっといやらしい策士の面のある男性達と、純で肩を支え合うように生きている姉妹愛の麗しい双子女性陣。
ベルヴィーの姉を思う深い愛情と義侠心には、ここはヒロインなのだから幸せになるんだよね?、とハピエンを信じているのに、行く末が気になる展開。
姉を思って盾になり続けるヒロイン、彼女が彼に改めて姉の事を思う言葉を繰り出すとき、ロマンスとは関係なく泣けたシーンだった。
スープを作ったのに、缶詰を開けただけだと突っ張ったり、誤解している人に勝手に誤解していればいいというように放置したりと、その意地が、かわいいのだけれど、相手は癇に障る反応、見た目や誤解されやすいところが、心から気の毒に思えるキャラのヒロイン。
あれで万一御姉様と恋のライバルになったらどうするのだ、というところ、確信があったシーンは無いしで、相手の事情お構い無しのレイサムの思わせ振りアタックに、私はこういうやり方は感心できないと強く思った。
なんの落ち度も無いのに名誉を毀損されたのだから、ヒロインからはレイサムに一発お見舞い、がバランス取れたのでは?
キャロラインさんの幸せも祈る。
父親がのうのうとしているのは私も許せない。一発で足りはしない。姉妹編二冊共で毒を撒き散らかして、本当に腹立たしい。しかし、グレイムの、不倫問題の相談やら解決報告が融資と関連?、面識やこれまで交流の無かった相手に、そのような理由で融資が通るものであったなら、沢山焦げ付いてしまうことだろう。それを「完璧」とは、腑に落ちない。
しかし、この毒父によって二人は引き会えたのだから、なんとも。。。
これも不思議な邦題が付いている。既読の「情熱と絶望のはざまで」(麻生歩/シャロン・ケンドリック)のことかと思い、読んだ作品と勘違いしそうになっていた。