面白いのですが、9巻まで一気読みして1番に思ったのは「引っ張りすぎ」ではないかと…。
それでも続きが気になって読んでしまうのですが。
中盤、城島くんを掘り下げたストーリーが長く展開された時なんて特に、主役の七桜と椿のエピソードに進展がなく、肝心の話を引き伸ばされているように感じてしまいました。
城島くんのキャラは好きですし、彼のエピソードもそれはそれで面白かったのですが、読者が1番注目しているのはやはり主役2人のエピソードなので、個人的には「彼の掘り下げ、こんなに必要だった?」と思ってしまいます。
現に和解した後はフツーに光月庵で働くモブに戻ってますし…。
そして肝心の七桜と椿のストーリーについてですが、良くも悪くも王道な印象を受けました。
絶対にこの人とだけは恋してはいけない、と思ってたはずの相手に互いに恋してしまう、許されざる恋ほど燃えてしまうような壮大かつ盛り上がり必須のキャラクター設定です。
しかしこういったロミジュリのようなエピソードは、面白いと分かり切っているだけにありがちといいましょうか。新鮮味が無い所が非常に残念でした。
この作品で最も重要になってくるのが、椿の父親の死の真相ですね。さっさと明かして欲しいのに、まだ引っ張るようで待つのが疲れてきました。
ただ一つ言えるのは、全て誤解なんだろうなということ。
子供の頃から両想いなのは目に見えています。
それでいて、別人だと思った大人になった七桜に心動かされるなんて、椿は七桜にしか恋ができないんだろうなと思わされます。七桜もまた同じ。まさに2人の運命の恋物語といった感じ。
敵対するべき2人にしては、互いに好きになるのも関係を持つのも早かったなぁと少し拍子抜けしました。
そしてラブラブで過ごす2人。火事の日をキッカケにさすがにここで全ての真相が分かって完結かなと思いきや、まさかの2部スタートに驚きました。
たしかにここから本当の意味で敵対してますが…。
女将倒さない限り2人は結ばれることができない故の行動なのでしょうか?
好きでたまらない同士が一体何やってんだ、と思えてしまいます…。
七桜の母親の秘密とかも予想通りすぎましたし、もうここまできたら七桜を愛し過ぎている椿は全て受け入れてくれると思うんですよね。
椿をこんなに惚れさせた七桜の勝ちだと思います(笑)
最後まで読むので、早く幸せになってほしい。